薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
プロトンポンプ阻害剤オメプラゾールの体内動態/薬効モデルによる至適薬用量の予測
杉浦 宗敏山本 康次郎澤田 康文伊賀 立二
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1992 年 7 巻 6 号 p. 813-820

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抄録

本研究では,proton pumpの代謝回転を考慮した抗潰瘍剤omeprazoleの動態論モデルを構築し,omeprazole 40mg単回投与時の血漿中濃度および胃酸分泌阻害の経時変化から非線形最小二乗法により各種パラメータを求めた.omeprazoleとproton pumpの反応速度定数およびproton pumpの消失速度定数はそれぞれ1.2(M-1·hr-1),k=0.0243(hr-1)であった.算出されたパラメータから,omeprazoleの単回投与時およびくり返し投与時の胃酸分泌阻害作用を計算したところ,すでに報告されている値と同様の傾向を示した.また,同様にしてomeprazoleの単回投与時とくり返し投与時における胃酸分泌阻害作用を求め,用量作用曲線を作成したところ,くり返し投与することによって低投与量側ヘシフトする結果が得られた.また,proton pumpの代謝回転クリアランスにはAdolph則を適用でき,アニマルスケールアップが可能であることが示唆された.

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© 日本薬物動態学会
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