2017 年 27 巻 p. 135-141
本研究では,調査書に記載されている全体の評定平均値を用いて,各志願者の基礎学力を見極めることについて検討した。評定平均値については,学校間の格差があることが既存研究で指摘されている。そのため,本研究では基礎学力をより正確に示す大学入試センター試験の得点率を用いて補正することを考え,補正前と補正後の評定平均値を用いることにどのような違いがみられるかについて調査した。A大学を受験した志願者の出身高等学校ごとに過去の大学入試センター試験得点率を算出して評定平均値を補正した結果,補正前の評定平均値を用いるよりも,補正後の値のほうが志願者の基礎学力をより良く推測できる可能性を定量的に示すことができた。