2018 年 28 巻 p. 187-192
本研究は,地方国立大学において,共通テスト(大学入試センター試験)に外部英語試験・4技能を導入した際の受験生に与えた影響について,地方に所在する国立B大学の導入事例より検討を行った。分析の結果,国立B大学の2017(平成29)年度入試における外部英語試験の利用率は志願者数全体の1%程度に留まったが,前年夏のオープンキャンパスにおけるアンケート調査では,全体の70%近くがこの制度の導入によって学習意欲が高まるとしており,40%以上が出願へのインセンティブになると回答している。このように,本制度の導入が実際の出願行動までにはいたらなくても,教育効果を高める制度として意義がある可能性が示唆された。