大学入試研究ジャーナル
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募集要項から見る留学生受け入れの現状
――国立大学4月入試を中心に――
翁 文静立脇 洋介
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2021 年 31 巻 p. 105-110

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抄録

本稿は,2019年度に各国立大学が公開した募集要項を調べ,留学生選考の実態について考察した。調査項目は出願時期,EJUの科目選択,出願要件(EJUスコアの提出,EJU基準点設定の有無,英語スコアの提出,英語基準点設定の有無),および選考方法(面接,小論文,学力試験)である。その結果,以下の4点が明らかになった。第一に,国立大学の私費外国人留学生入試(4月入学)では,ほぼ全ての入試区分でEJUが利用されていた。第二に,出願時期は7割を超える入試区分で1月以降に設定されていた。第三に,殆どの入試区分でEJUが利用されており,加えて英語スコアの提出を求める入試区分も半数ほどを占めていた。第四に,各大学の行う独自の選考方法としては,面接,小論文,学力試験があり,9 割ほどの入試区分で面接が課されていた。さらに,文系,文理系でそれぞれの重視する選考方法が異なることを見出すことができた。

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