日本も含めた非英語圏における英語学位プログラム(EDP)の設置は,高等教育における世界的な現象である。本研究では,広島大学のEDP を事例に,日本人高校生と外国人高校生との間に,いかなる進路形成の違いがあるのか,先輩・友人・家族の影響に焦点を当て,検証を行った。分析の結果から,外国人高校生が進路形成に当たって受ける影響は「先輩・友人」であるのに対して,日本人高校生は「母親」であることが明らかになった。分析の結果を踏まえ,まず外国人高校生については彼ら/彼女らが大学在学中に円滑な学習生活を送れるよう支援していくことが大切であり,そのことがゆくゆくは先輩を通じ,新たな外国人高校生の進路形成に重要な影響を及ぼすことになる。次に日本人高校生に関しては,より保護者を対象とした大学説明会に力を入れていく必要がある。