2024 年 34 巻 p. 8-15
学生募集広報へのマーケティング理論の応用は教育マーケティングと呼ばれ,18 歳人口減少を迎えた 1970 年代のアメリカが始まりとされる。日本においてはアメリカでの取り組みに関する論考を中心に 1980 年代以降から議論が蓄積されてきたものの,マーケティング理論を応用した学生募集広報の実践に関する論考は決して多いとはいえず,未だ定着しているとはいえない状況にある。そこで本稿では,4 点の事例から,マーケティング理論が大学と受験生や高校教員との相互理解を深める機能を有するなど学生募集広報との親和性が高いことを明らかにし,学生募集広報に応用する意義を示した。