大学入試研究ジャーナル
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入学前の学習習慣や志望度と入学後の成績推移について
天野 哲彦槫松 理樹
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2025 年 35 巻 p. 333-338

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抄録

主体性,意欲,興味・関心などは,入学後の学修の伸びのためには重要な要因だが,それらを個別に取り出して測定することは困難である。また,それらは大学入学までの学びと連続して育成すべきであり,入学後に速成することは容易ではない。ゆえに,高大連携活動によって,生徒,学生を育てることが大切であり,入学者選抜はその通過点として,生徒,学生を育てるという目的で設計される必要がある。本稿はその前提として,大学入学後の成績が,高校生の学習習慣や入学時の意識とどのような関係があるのかを,入学時アンケートとGPAをもとに考察する。考察の結果,大学入学時までに主体的学習姿勢と適度な自習習慣を身につけた学生の成績推移がよく,大学名よりも学部・学科の専門性,自分の興味関心との一致度が入学後の成績に強く影響することが推定された。

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