動物臨床医学
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高エネルギーX線・小分割・多門照射を行った犬の胸腺腫9例の臨床分析
信田 卓男圓尾 拓也森 麻江川村 裕子武田 晴央福山 泰広伊藤 哲郎高平 篤志井上 明山田 徹斑目 広郎茅沼 秀樹菅沼 常徳
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2007 年 16 巻 2 号 p. 41-45

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抄録

犬の巨大な胸腺腫に放射線治療(大線量・小分割・多門照射)を行った9例について回顧的調査を実施した。照射回数中央値4回(2回1例,3回3例,4回5例),1回線量中央値10Gy(幅5~12Gy),照射線量中央値35Gy(幅21~44Gy),照射門数中央値5門(幅2~9門)であった。照射後,呼吸器症状が6例中5例で改善し,高カルシウム血症を示した7例全てで照射後1週に正常となった。腫瘍の縮小率は照射後1週で最大であった。生存期間は照射終了から208日間(中央値)であった。放射線障害としては皮膚炎が1例に認められたのみであり,多門照射により正常組織の線量を下げることができた。これらのことから,大線量・小分割・多門照射を実施することにより安全かつ迅速に緩和効果を得ることが確認された。

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© 2007 動物臨床医学会
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