抄録
20都道府県37カ所の繁殖施設より購入した直後の一般家庭飼育若齢犬41頭と8都県10カ所の繁殖施設で飼育されている若齢犬83頭の合計124頭(いずれも1-6カ月齢)における消化管内寄生虫の感染状況を,新鮮便を用いたホルマリン・酢酸エチル沈澱法による糞便検査で調査した。全体では,45.2%(56/124)から消化管内寄生虫が検出された。それぞれの寄生虫の検出率は,ジアルジア29.8%(37/124),イソスポラ13.7%(17/124),犬回虫4.8%(6/124),糞線虫3.2%(4/124)であった。今回の成績から,日本国内の繁殖施設由来若齢犬における主要な消化管内寄生虫は,ジアルジアとイソスポラであることが示唆された。