2010 年 19 巻 4 号 p. 119-123
2例の猫を肉芽腫性肺炎と診断した。症例1は8歳齢の雑種猫で,健康診断のため来院し,胸部X線検査にて肺に単発性の結節を認め,肺葉切除術を実施した。術後は再発なく経過している。一方,症例2は7歳齢の猫で,軽度の呼吸器症状のために来院し,胸部X線検査にて肺に多発性の結節を認めた。CT検査,FNAおよびリンパ腫クロナリティ検査の結果から,高分化型リンパ腫と仮診断をして化学療法を実施したが,効果が認められなかったため,肺生検を実施した。診断後はプレドニゾロンやシクロスポリンでの治療を余儀なくされている。