動物臨床医学
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原著
正常犬の十二指腸におけるラジアル内視鏡超音波検査の基礎検討
林 幸太郎佐野 忠士阪本 裕美岡西 広樹賀川 由美子亘 敏広
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2013 年 22 巻 1 号 p. 17-20

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抄録
犬の十二指腸におけるラジアル内視鏡超音波検査(EUS)の基礎データを得るために,健常犬の十二指腸下行部にてラジアルEUSと腹部超音波検査(AUS)における比較を行った。AUSと同様にラジアルEUSは十二指腸層構造を粘膜層,粘膜下織層,筋層,漿膜層に分類することができ,さらに粘膜層を粘膜表層と粘膜層に分類することができた。AUSとラジアルEUSを比較した結果,EUSに比べAUSでは粘膜・粘膜下織層が,0.4mm厚く測定された(P<0.05)。また,ラジアルEUSで測定した粘膜・粘膜下織層の厚さと体重との間に正の相関が認められた(P<0.0001, r=0.67)。ラジアルEUSを使用する際には,粘膜・粘膜下織層における差を考慮に入れ,体重に基づいて基準値を設定する必要がある。ラジアルEUSはAUSに比べ消化管を詳細に評価できる可能性が示されたため,消化管疾患毎の粘膜構造の変化を明らかにすることができるかもしれない。
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© 2012 動物臨床医学会
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