DOHaD研究
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コロナ禍における周産期合併症の変化
春日 義史 田中 雄也田中 守
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2023 年 11 巻 2 号 p. 152-157

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抄録
緒言:Coronavirus disease 2019 (COVID-19)感染症は多くの人々の日常を変え、周産期医療にも様々な影響を与えている。本研究ではコロナ禍における周産期合併症の変化を明らかにすることとした。 方法:対象は2020年4月1日〜6月30日(2020年群:128例)および2021年4月1日〜6月30日(2021年群:143例)に当院で周産期管理を行った症例である。切迫早産、早産期前期破水(preterm premature rupture of membrane: pPROM)、妊娠高血圧症候群(hypertensive disorder of pregnancy: HDP)、早産の発症率を2019年4月1日〜6月30日に周産期管理を行った151例(2019年群)と後方視的に比較検討した。なお、COVID-19陽性者、母体搬送症例や双胎妊娠は除外した。 結果:2020年群は2019年群と比較して、切迫早産率(p= 0.11)、pPROM率(p= 0.39)は差がなかったものの、減少傾向にあったが、HDP率(p= 0.017)、早産率(p= 0.019)は有意に低下した。一方で、2021年群は2019年群と比較して、いずれの割合も同等であった。 結論:2020年には早産およびHDPが減ったものの、2021年にはコロナ禍前の水準と同等であった。
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© 2023 一般社団法人日本DOHaD学会
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