日本土壌肥料学雑誌
Online ISSN : 2424-0583
Print ISSN : 0029-0610
ダイズ毛状根及びインタクト植物根へのアーバスキュラ菌根菌感染に及ぼす培地リン濃度の影響
渡邉 浩一郎坂尾 滋彦有馬 泰紘平田 煕
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2002 年 73 巻 1 号 p. 27-32

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抄録

ダイズ毛状根とインタクト植物(播種後11日目の幼植物)を用い,AM菌(Gigaspora margarita)接種前と接種後の培地リンの有無を設けて,AM菌感染初期過程で起こる付着器形成に及ぼす影響を調べた.1)毛状根とインタクト植物の間で,付着器形成の培地リンに対する応答は異なった.すなわち,毛状根では接種前及び接種後リン投与の有無による影響はほとんどみられなかったが,インタクト植物根では接種後リン投与区または無投与区のそれぞれにおいて,接種前にリンを与えなかった方が,リンを与えた場合よりも付着器形成数は多かった.2)毛状根,インタクト植物いずれも,植物体中リン濃度は,AM菌接種前リン投与区または無投与区のそれぞれにおいて,接種後にリンを与えた方が,リンを与えなかった場合よりも高かった.3)毛状根及びインタクト植物ともに,付着器形成数と植物体中リン濃度の相関は不明瞭だった.

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© 2002 一般社団法人日本土壌肥料学会
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