日本土壌肥料学雑誌
Online ISSN : 2424-0583
Print ISSN : 0029-0610
有機JAS認定産米のδ^<15>N値と食味値による品質評価について
藤田 正雄岩石 真嗣南 都志男松田 易子藤山 静雄
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 74 巻 6 号 p. 805-808

詳細
抄録

北陸4県の有機JAS認定産米,有機転換中産米およびその近隣慣行栽培産米(計75試料)のδ^<15>N値と食味品質を比較し,精米が有機農産物であるかどうかの判別法を検討した.1)精米中のタンパク質含量および窒素含量が大きく影響する食味値をもとに,有機JAS認定産米を判別することは困難であった.2)精米のδ^<15>N値では,有機JAS認定産米は慣行栽培産米に比べ有意に高い値を示した.3)しかし,有機JAS認定産米と慣行栽培産米のδ^<15>N値には重複もみられた.有機JAS認定産米のδ^<15>N値の平均値が5.0‰で最低値が2.9‰,そして慣行栽培産米の平均値が2.8‰で,最高値が5.0‰であった.そこで,δ^<15>N値が3‰未満であった場合,有機JAS認定産米でない可能性が高いので詳細な検査対象にする,という注意情報として利用できる可能性を示した.

著者関連情報
© 2003 一般社団法人日本土壌肥料学会
前の記事 次の記事
feedback
Top