1)堆肥の施用に伴う草地飼料畑単位面積当たり銅,亜鉛,カドミウム,鉛の投入量の地域別の推定値は,それぞれ38〜980,330〜4,400,0.51〜9.4,5.6〜61g ha^<-1> yr^<-1>の範囲にあり,元素により11〜26倍の地域間差が認められた.2)生ふん尿の施用に伴う草地飼料畑単位面積当たり銅,亜鉛,カドミウム,鉛の投入量の地域別の推定値は,それぞれ95〜630,380〜2,900,1.0〜6.4,5.7〜38g ha^<-1> yr^<-1>の範囲にあり,各元素とも6〜8倍の地域間差が認められた.3)作物の吸収による草地飼料畑単位面積当たり銅,亜鉛,カドミウム,鉛の収奪量の地域別の推定値は,それぞれ26〜81,150〜320,0.26〜2.2,1.7〜6.2g ha^<-1> yr^<-1>の範囲にあり,元素により2〜9倍の地域間差が認められた.4)我が国の農耕地では,堆肥,生ふん尿に由来する重金属が作物による吸収量より多く存在し,堆肥や生ふん尿の単位面積当たり施用量が多い草地飼料畑に局所的に投入されていると考えられた.5)堆肥と生ふん尿に由来する草地飼料畑単位面積当たりの重金属の投入量は,都府県で多く,北海道で少ないことが明らかとなり,その原因は,飼養密度の地域による違いにあると考えられた.