抄録
韓国済州島の漢南および道順の3つの茶園において,土壌の化学性と鉱物学的特性について調査を行った.土壌断面の調査から,土壌には明らかな腐植の集積が認められ,土色は黒あるいは黒褐色を呈していた.また,礫含量が多く,土性は砂壌土であった.土壌のリン酸吸収係数は,2280〜2690と著しく高い値を示し,いずれの茶園の土壌も黒ボク土に分類され、粘土鉱物はアロフェンを主体としていた.土壌pHは,畝間よりも樹冠下において低く,交換性アルミニウムも樹冠下で高い値を示し,日本の茶園土壌とは逆の傾向が見られた.土壌の礫含量が多く,透水性が極めて良好なため,土壌改良資材が施用されない樹冠下では溶脱が激しく,交換性塩基が低くなる傾向が見られた.アロフェン由来のアルミニウムを示すAl_o-Al_pは畝間と樹冠下では同程度か,樹冠下で高い値となり,樹冠下におけるアロフェンの顕著な溶解は認められなかった.土壌の粘土画分をX線回折法により分析した結果,0.7と1.4nmピークが認められた.済州島の茶園土壌の粘土鉱物は,アロフェンを主体としながら,1:1型鉱物やクロライトおよび2:1-2:1:1型中間種鉱物を含んでいることが推定された.