日本土壌肥料学雑誌
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畑土壌における作土からの窒素無機化量の簡易推定—岐阜県飛騨地域の夏秋トマト栽培圃場の例—
和田 巽 鈴木 郁子雨宮 剛今村 周平松浦 香絵工藤 渓汰古田 貴世佳棚橋 寿彦
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2026 年 97 巻 2 号 p. 73-79

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抄録

岐阜県飛騨地域の夏秋トマト栽培における窒素施肥の適正化に向けて,反応速度論的手法を活用した窒素無機化モデルへの適用により,栽培期間中の作土からの窒素無機化量の推定手法を検討した.湿潤土を供した培養試験による窒素無機化量は一次反応単純型モデルへの適合性が高く,推定の合理化のため無機化特性値のうち見かけの活性化エネルギー(Ea)および無機化速度定数を地域共通とした場合も高い適合性が維持された.2017年に調べた夏秋トマト栽培期間中の地温を基に求めた窒素無機化量は,同じくモデルで算出された,潜在的に無機化し得る窒素量を示す可分解性窒素量の23%と小さく,この期間であれば窒素無機化量が直線的に増加するモデルへの適合性も高いと考えられた.このため,培養試験による窒素無機化量を零次反応モデルに適用した結果,モデルへの適合性は高く,無機化特性値のうちEaを地域共通とした場合もよく適合した.また,もう一つの無機化特性値である25°C 1日当たりの窒素無機化量(N25)は,畑土壌可給態窒素の簡易・迅速評価法抽出液の化学的酸素要求量(COD)と強い正の相関が認められ,CODによりN25の簡易推定が可能と考えられた.これらのことから,長期間の培養試験を伴うことなく栽培期間中の作土からの窒素無機化量を簡易推定する窒素無機化モデルとして,共通のEa(64.1 kJ mol−1)とCODにより推定したN25を無機化特性値とした零次反応モデルを構築した.

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