北海道矯正歯科学会雑誌
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北海道大学病院における最近9年間の矯正患者の臨床統計的調査
山方 秀一佐藤 嘉晃山本 隆昭飯田 順一郎
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2007 年 35 巻 1 号 p. 25-33

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抄録

1996年4月から2005年3月までの9年間に北海道大学病院歯科診療センター咬合系歯科・矯正歯科専門外来で初回検査を受けたすべての矯正患者(調査対象1)のうち、転院患者を除く全患者(調査対象2)を対象とし、その動態に関する臨床統計的調査と人文地理学的考察を行い、以下の知見を得た。1. 調査対象1および調査対象2の総数はそれぞれ2,392名および2,147名であった。また、調査対象1において先天疾患患者および顎変形症患者が占める比率は、それぞれ17.6%および18.3%であった。2. 調査対象2における男女比率は、先天疾患患者では1:0.9、その他の患者区分では1:1.7から1:2までの範囲であった。3. 調査対象2のすべての患者における初診時年齢の度数分布は、男女とも5-9歳階級が最も高く、男性患者の年齢層のほうが低くかつ狭いレンジに収束していた。しかし、最大度数を示した年齢層は各患者区分で異なっていた。4. 調査対象2のうち87.7%の患者は当院から半径50km圏内に居住していた。また、札幌市内居住者は74.2%であった。さらに、200-300km圏の11市町に居住する患者も認められた。5. 当院は広域的に道民医療に寄与している反面、一地域の医療機関としての性格も併せ持っていると考えられた。

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