竹中大工道具館研究紀要
Online ISSN : 2436-1453
Print ISSN : 0915-3683
近現代における鉋の変遷について ―二枚鉋の裏金を中心に―
船曵 悦子
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2012 年 23 巻 p. 3-15

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抄録
本稿では、文献資料と古写真及び実物資料をもとに一枚鉋から二枚鉋への変遷ついて以下のことを明らかにした。 1 西洋鉋が輸入された明治初期には、西洋鉋をもとにした二枚刃の仕組みが解明されていた。 2 二枚鉋は、実業教育用鉋として明治中期には存在した。 3 明治期には、鉋を使用する職人(大工)が二枚鉋を使用する様子は見られない。昭和前期になると、二枚鉋を使用する職人の姿が確認できる。 4 二枚鉋の裏金で定位置に穴があるものは、たばこ製造に使用された刻み機の刃を再利用したものである。
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© 2012 公益財団法人竹中大工道具館
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