道徳と教育
Online ISSN : 2435-1199
Print ISSN : 0288-7797
道徳科における長期的評価の在り方 ―OPP シートを蓄積したポートフォリオでの検討会の試み―
萩野 奈幹
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 337 巻 p. 3-14

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抄録

本稿の目的は、道徳科における長期的評価の在り方について検討することである。具体的には、OPPA(One Page Portfolio Assessment:一枚ポートフォリオ評価法)で用いるOPPシートと呼ばれる一枚の用紙を蓄積したポートフォリオを活かし学びを振り返る「検討会」を基に検討する。そのため、1 .真正の評価論を理論的基盤とするポートフォリオ評価法に関る検討会の在り方を整理した上で、2 .道徳授業でのポートフォリオ評価の課題克服に向け、児童が振り返りを行いやすい仕組みを組み込んだOPPシートを蓄積したポートフォリオ評価を提示し、3 .初等教育での実践を通して指導の要点を考察し長期的評価の在り方を検討する。結果、短期・長期的な視点から学習改善を図り、児童の成長を見通し、それを前提にカリキュラムを組むことの必要性が導出された。また、児童が多面的に振り返り、自己の成長に気づけるようなワークシートや教科書に対応した道徳ノートの開発への示唆を与えるであろう。

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© 2019 日本道徳教育学会
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