Edaphologia
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冬季にアルゼンチンアリが集める固形餌の構成
頭山 昌郁
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2011 年 88 巻 p. 55-58

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抄録

2000年12月〜2001年4月および2001年11月〜2002年4月に,広島県の市街地でアルゼンチンアリが巣に持ち帰った餌を調べた.この時期に持ち帰った固形餌の大半は昆虫の屍体で,殊にトビムシ目・同翅亜目・アリ科および双翅目のものが多かった.これらの固形餌の組成は2年次に共通する経時的なパターンを示した.例えばトビムシ目の屍体は,最初のうちこそ固形餌の大半を占めていたが次第にその割合は減少し,4月には10%以下にまで低下した.同翅亜目昆虫の大半はアブラムシの屍体であったが,その数は1〜2月に一旦減少した後回復に転じ,4月には以前にも増して増加する傾向があった.2月以降になると,種子散布のためにアリを引き寄せる付属体(エライオゾーム)を持つホトケノザの種子が主要な餌メニューに加わった.

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© 2011 日本土壌動物学会
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