Edaphologia
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房総半島スギ壮齢林における大型土壌動物の土壌層別の季節変化
加藤 宏保福山 研二
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2015 年 96 巻 p. 13-18

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抄録

房総半島の57年生スギ壮齢林(東京大学千葉演習林亀の沢21林班)において,土壌層別の大型土壌動物の季節変動を調査した.調査は1972年3月から同年12月までと,より深くまでの調査を追加として1973年1月と3月に行った.25cm×25cmの枠を用い,A0層,A1層,A2層から,月に一度14地点より土壌を採取した.土壌サンプルからの大型動物の採集は,大型のツルグレン装置を用い,主な甲殻綱は種まで,他は目などの段階で分類し個体数を調査した.その結果,全大型土壌動物の総個体数では,明瞭な季節変化はなく,層別ではA1層に多い傾向が見られた.甲殻綱は,全体に5〜6月に個体数が減少し冬に個体数が増大する一方,ミミズ綱は逆に5〜6月に増加し,冬に減少した.ヤスデ類の個体数は,7月に最大となる1山型の個体数変化を示した.

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© 2015 日本土壌動物学会
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