英米文化
Online ISSN : 2424-2381
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Women in the Novels of W.S.Maugham : Mainly as Seen in The Moon and Sixpence
Masayo Muraoka
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1991 年 21 巻 p. 37-56

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抄録

Maughamは9才の時に死別した美しい母を無意識のうちに殊更美化し,女性の理想として固定観念化し,その結果,終生忘れられない存在となったのである。つまりMaughamの女性像は母のイメージという彼の幼時の原体験にもとづいていて,それをひきずって生きてきた過程に確立されたのである。それは表面的にはMaugham自身の母のような聖母的女性,内面的にはCakes and Aleに於けるRosieのような天衣無縫の女性である。この二面性をかね備えた女性を理想像としていたと考える。しかし,現実にこのような二面性を有していて,しかもそれがほどよい調和をなしている女性が果たして存在するであろうか。実際このような女性は存在しえず,存在しえないからMaughamの願望は満たされないのである。従ってこの理想的女性はMaughamの心の中でのみ永遠の女性として生き続ける女性なのである。愛する女性にはいつも好意をもたれなかったと述べているMaughamの女性像を順次描写する。

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© 1991 The Society of English Studies
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