OECM は,2018 年に定義が合意された新しい保全地域の枠組みである。保護区が生物多様性の保全を主要な目的とする区域であるのと異なり,OECM は,必ずしも保全を目的としないさまざまな人間の営みの結果として,生物多様性の保全がなされてきた地域を含む。里地里山において維持されてきた生物多様性を抱える日本においては,このような地域を対象とした保全の重要性はある意味では常識となっている。一方で,国際的には,OECM の拡大や実装にあたっては,さまざまな課題や懸念が指摘されている。 本稿では,主に国際的な議論や観点から,現在国内において進んでいるOECM の認証制度や実装の検討において必要とされる視点を示す。