新潟県上越市安塚地区への導入を想定した浸水式雪冷房システムの省エネ性能とCO2排出量を評価した。導入施設は標準的な事務所ビル(延床面積4,133m2)とした。その結果,雪冷房システムは一般的な冷房システムより 10-28%の省エネ性能を示し,省エネ性能と積雪量は概ね比例した。CO2排出量では雪冷房設備の運用段階が98%を占め,この省エネ性能により過去21年間の降雪量に鑑みると延床面積辺り17.4kg-CO2/m2を比較対象より低減した。この比例関係と運用段階のエネルギー量で比較すると,当該地区5棟分の個別建物への雪冷房システムに必要な冷熱量は,除雪堆積場2個分に相当した。
抄録全体を表示