環境情報科学
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最新号
「環境情報科学」52巻3号
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表紙
目次
特集:地域主導の脱炭素計画づくりの先行事例とその実現のプロセス
  • 村上 周三
    2023 年 52 巻 3 号 p. 1-4
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル 認証あり
  • 太陽光発電事業を中心に
    錦澤 滋雄, 長澤 康弘
    2023 年 52 巻 3 号 p. 5-9
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル 認証あり
    脱炭素の実現に向けた再生可能エネルギー導入をめぐりグリーンジレンマが生じている。直近の調査では最近 5 年間の地域トラブルが増加傾向にあり再生可能エネルギーが迷惑施設化する傾向にある。これを受けて自治体では立地規制,許可制,事前協議手続き,説明会の義務化など規制強化の動きが広がりつつあり,トラブル回避の点では効果が見込める一方で脱炭素の実現が危ぶまれる状況にある。そこで国では地域との合意形成を図りながら円滑に事業を進めることをねらいとしてゾーニング事業などに取り組んでいる。本稿ではこれらの現状を概観した上で課題を整理することを試みる。
  • 本巣 芽美
    2023 年 52 巻 3 号 p. 10-14
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル 認証あり
    脱炭素化に向け再生可能エネルギーの導入は世界的に促進されている。しかし,風力発電事業においてはステークホルダーからの反対により合意形成が難航する傾向がある。こうした背景から,風力発電が地域社会に役立つ形で導入することはできないかという議論が風力発電業界では広まりつつあり,社会的受容という考え方が注目されるようになってきている。本稿では,風力発電の社会的受容の概要を解説した上で,筆者らが行った風力発電所の近隣住民を対象とする社会調査について紹介する。また,風力発電をはじめ再生可能エネルギーの大規模導入に向けて今後重要となる住民との合意形成と事業のあり方について展望する。
  • 馬上 丈司
    2023 年 52 巻 3 号 p. 15-21
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル 認証あり
    農地において農業生産と太陽光発電事業が共存する営農型太陽光発電は,2013 年度に農林水産省が制度化してから徐々に国内で取り組み事例が増えてきている。営農型太陽光発電によって農地での再生可能エネルギー生産が可能となり,農業・農村における脱炭素化を進めることにつながっていくだけでなく,社会全体として必要とされる再生可能エネルギーの確保に向けたポテンシャルも有していると言える。本稿では営農型太陽光発電が実際に農地でどれだけの再生可能エネルギー生産が可能なのか,そのポテンシャルが地域脱炭素にどう取り入れられようとしているのか,また普及に向けた課題について述べる。
  • 三田 裕信
    2023 年 52 巻 3 号 p. 22-27
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル 認証あり
    「2023 年7月に閣議決定された脱炭素成長型経済構造移行推進戦略(GX 推進戦略)」では,地域・くらしの GX として,地域金融機関や地域の企業等との連携の下,地域特性に応じて,各地方公共団体の創意工夫をいかした産業・社会の構造転換や脱炭素製品の面的な需要創出を進め,地域・くらしの脱炭素化を実現することが明記された。本稿では,脱炭素政策,すなわち地球温暖化対策における地域の取組の位置づけと意義を明らかにし,環境省をはじめとする国の地域脱炭素に向けた支援策を紹介するとともに,地域脱炭素の課題の一つとなっている地域共生型再エネの推進について環境省の考え方や施策を概説する。
  • 後藤 久典
    2023 年 52 巻 3 号 p. 28-34
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル 認証あり
    2021 年以降の卸電力価格や電気料金の高騰により,地域新電力を含む小売電気事業者に影響が及んでいる。地域新電力は,2016 年の電力の小売全面自由化をきっかけに参入した事業者である。その事業には,地域の再エネ電源等を活用し,地域に小売電力供給を行うという特徴がある。本稿では,地域新電力と関係する電気事業制度として,電気料金制度や再生可能エネルギー電力の買取制度の現状を整理するとともに,卸電力価格等の高騰が電気事業者に与えた影響について考察する。また,近年導入された配電事業制度や特定卸供給事業制度について概観し,地域の電気事業者における可能性について考察する。
  • 山本 敏夫
    2023 年 52 巻 3 号 p. 35-39
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル 認証あり
    下川町は,環境に配慮した持続可能な森林経営を基盤に,地域資源である森林を最大限に活用し,基幹産業である森林・林業の発展に努めてきた。平成 16 年度から未利用資源に付加価値を付け,森林バイオマスの熱エネルギー利用を拡大し,地球温暖化対策,地域経済の活性化および雇用の創出に取り組んできた。 全国に先駆けて森林バイオマスの導入を進めてきた自治体として,提案・計画段階から実現までの過程で発生した課題の克服事例も含め,持続可能な地域社会の実現に向けた取り組みを紹介する。
  • 横浜市での挑戦
    信時 正人
    2023 年 52 巻 3 号 p. 40-46
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル 認証あり
    2008 年,環境モデル都市に選定された横浜市だが,そこから,2010 年,次世代エネルギー・社会システム実証事業(スマートグリッドの実証),2011 年環境未来都市の選定を経て,2018 年 SDGs 未来都市第一次の選定を受けた。それぞれの段階で,何を学び何を実践してきたのかに関して,現場でいかに人や企業と対応してきたのかを中心に,述べる。
  • 震災復興から脱炭素先行地域選定まで
    重 浩一郎
    2023 年 52 巻 3 号 p. 47-51
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル 認証あり
    岩手県久慈市は,県北部の沿岸部に位置する人口約 3 万2000 人の都市である。市では東日本大震災の復興の柱の一つとして再生可能エネルギー導入を取り入れさまざまな取り組みを展開した。久慈地域の送電網は脆弱であり国に要望を行うだけでなく,地域経済循環分析を行い,環境面だけでなくエネルギー収支という指標でこの問題をとらえたほか,木質バイオマスの熱利用,県内初の自治体出資による地域新電力会社の設立を行ってきた。地域に裨益するガイドラインを策定したほか,横浜市や近隣市町村との連携,民間企業の実証試験地選定などの取り組みを経て脱炭素先行地域選定に至った。
  • 山口 美知子
    2023 年 52 巻 3 号 p. 52-57
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル 認証あり
    東近江三方よし基金は,その基本財産が市民の寄付によって調達されたいわゆるコミュニティ財団である。その役割は,①外貨を獲得する,②流出する資金を減らす,③地域内の資金を循環する,という 3 つに要約される。寄付や休眠預金を財源とした助成活動,信用金庫と連携した制度融資,行政課題と社会的投資を組み合わせた東近江市版 SIB等の仕組みを運用している。コロナ禍,地域のさまざまな困りごとを解決する取り組みを支援した。お金は想いを届ける便利な道具であり,その想いは人から人へとつながり,結果として互いを尊重し合う自治につながる。
  • 榎原 友樹
    2023 年 52 巻 3 号 p. 58-64
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル 認証あり
    地域の脱炭素化の手段のひとつとして,地域新電力に注目が集まっている。本稿では,大阪府の能勢町・豊能町における地域新電力会社「能勢・豊能まちづくり」の取り組みを紹介する。公共施設のエネルギー利用方法の見直し,再生可能エネルギーのゾーニング,オンサイト PPA,高校の通学手段として E-bike の実証,公用車の電動化・脱炭素化の取り組みなどを通じて地域内での経済循環と排出削減の機会を生み出し,行政や地域住民と一体となって挑む,新たな脱炭素まちづくりへの挑戦について,現在地を報告する。
  • 平野 勇二郎, 浜島 直子, 土屋 依子
    2023 年 52 巻 3 号 p. 65-67
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル フリー
連載 環境政策の最前線
報告
  • 過去の公害の状況を踏まえて
    山内 一志, 大野 博之, 宮脇 健太郎, 登坂 博行
    2023 年 52 巻 3 号 p. 82-88
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル フリー
    廃棄物最終処分場の計画や維持管理に際し,周辺住民等から過去の公害事件と同様の健康被害や周辺環境への影響を懸念する声が挙げられる場面が多い。それに対し,技術者が適切なアカウンタビリティを果たすため,有害物質とは何なのかを改めて整理するとともに,過去の公害当時の環境と現在の環境基準を比較することで,現在の法令の下で設置・管理される最終処分場のリスクについて示す。こうした整理をすることで,ある最終処分場の設置にあたり,住民説明会等での質疑を通し理解を得ることに繋がった。
  • 国定公園管理体制の一側面
    谷田 康一, 上河原 献二
    2023 年 52 巻 3 号 p. 89-94
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル フリー
    全国の国定公園に 102 棟の避難小屋が存在することを明らかにした.そのうち,設置・管理とも市町村のものが 42 棟,道県設置・市町村管理のものが 24 棟,設置・管理とも道県のものが20 棟,その他(山岳会等)が 16 棟であった.また管理に関し回答があった市町村及び地元山岳会が設置・管理している 33 棟の避難小屋のうち,道県との管理契約が行われているのは 13 棟だけで,10 棟だけが管理に関して都道府県から補助金を受け取っていた.国定公園管理体制の法律上の中心主体である都道府県に加えて,市町村・地元山岳会も公園利用上重要な施設である避難小屋の設置・管理に大きな役割を果たしていることを数値で明らかにした.
報告 環境情報科学センター賞
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