抄録
建築物や社会基盤施設などの都市構造物には大量の建設資材が投入,蓄積されており,これらの物質ストックを長期間にわたりどのように維持管理するかが脱炭素・循環型社会を実現する上で大きな課題である。本研究では,日本全国の建築物のストック・フローを推計し,建築物の滞留年数の変化による将来の主要建設資材の投入量とCO2排出量への影響を検討した。結果,本研究で設定したシナリオ条件では,現役ストックの耐用年数の延長により,2100年の主要建設資材の投入量とCO2排出量は現状の耐用年数を維持するシナリオと比較して約5割減少すると見込まれた。一方,退蔵ストックの処理の違いによるシナリオ間の差は見られなかった。