抄録
国際地理オリンピック(iGeo)は,主に高校生が選手として出場する競技会で,最近では国際地理学会議(IGC)の地域大会の開催地で毎年催されている.日本は長らく苦戦を続けていたが,直近の2015年8月にロシアのトヴェリで開催されたiGeoでは,代表選手の全員がメダルを獲得するという史上初の快挙を成し遂げた.その背後には,日本代表選手の選考にあたっての選抜試験の工夫,代表選手に対する強化研修の取り組みなど,成績の改善に向けた不断の取り組みがある.本稿では,前者に焦点を当てて,2015年における3次試験の内容を紹介し,地理教育を改善していくための一助としたい.