2018 年 13 巻 1 号 p. 229-235
地理学の成果を政策立案に生かすための行政支援の事例として,世界的に高い評価を得たヒートアイランド対策の体系化,および国連環境計画の地球版環境白書など,従前より筆者が関わってきた地理学のアウトリーチ活動を振り返り,アウトリーチ活動への提言をまとめた.研究活動が少なからぬ公的資金で支えられている今日,アウトリーチ活動は単なる社会奉仕にとどまらない.研究活動を見直し,強めていくプロセスでもある.とりわけ,アウトリーチ活動を通じて得られた各種ステイクホルダーからのリアクションを,自身の研究活動にフィードバックしていくことが重要である.