2020 年 15 巻 2 号 p. 221-227
近年,著しい水害が発生しているが,その際に注目されるのがハザードマップである.ハザードマップにはそれぞれの場所の土地条件と関わる場所的特性が十分に示されていないことや,隣接する自治体の地域が示されていないこと,異なる流域ごとにシミュレーションが行われていて同一場所に関する図面が複数にわたる場合があるなどの不十分な点がある.そのような点を補う上で,水害リスクを読み取ることのできる地形分類図と併用することが有効であると考える.ただし,地形分類図はそのままでは一般の人にとって理解しにくい.そこで,陰影起伏図との重ね合わせによって土地の様子をより実感的に示すことが望まれる.