E-journal GEO
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特別寄稿論文
島根県出雲市砂原遺跡から出土した旧石器の年代
成瀬 敏郎
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キーワード: 砂原遺跡, 旧石器, 古土壌, MIS 5e
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2010 年 4 巻 2 号 p. 47-51

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抄録
2009 年8 月8 日に島根県出雲市多伎町に発達する海洋酸素同位体ステージ(MIS)5e の海成段丘堆積層を覆う古土壌3(VIb)から玉髄製の剥片1点を発見した.さらに同年8 月22 日から3 日間の予備調査において露頭面に表れた同層中から5 点の人工的に打ち欠いた石片が確認されたのを受けて,同年9 月16 日~29 日にトレンチ掘削による本調査が実施された.この結果,約12 万年前のMIS 5e に形成された古土壌層中から流紋岩や石英製の石器,石核,砕片,破砕礫など15 点が出土した.これらは日本で最も古い石器である可能性がある.今後,出土遺物の年代や古環境復元など,さらなる調査・分析が急務である.
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© 2010 公益社団法人 日本地理学会
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