抄録
江蘇省,浙江省,上海市の境にある中国で3番目に大きな淡水湖である太湖は,流域内の開発が著しく,深刻な富栄養化問題に直面している.2007年にはアオコ(藍藻類)が大発生し,無錫市において数日間にわたって給水が停止し,200万人以上に影響が出るという事件が生じた.この事態に中国では国をあげて,長江からの導水や下水処理場・下水道の重点的整備,排水対策のできない中小工場や畜産施設の閉鎖,養殖場の閉鎖などの浄化対策が短期間に多額の投資のもとに講じられた.本稿では,現地調査と文献等により,その状況を報告し,あわせて中国の環境対策と都市整備の関係について述べる.