抄録
LSIや回路のスイッチングにより発生する高周波電力は広い周波数範囲に亘る成分を有する。これらは回路間の電磁干渉、他の機器に対する放射妨害波(EMI)の原因となり、また、機器で扱う情報が電磁波に重畳し漏洩する電磁波セキュリティ問題でも注目されている。高周波電力を発生源(LSI)近傍に封じ込めることが、電磁干渉問題を低減する一手法と考え、広帯域に機能する電源デカップリング用の素子を検討してきた。本報告ではデカップリング素子がEMI抑制に寄与することを電源層励振の観点から検討した。ノイズ源を付加した電源にセラミックキャパシタ及び低インピーダンス線路素子(LILC)を適用し比較した。EMI抑制効果はLILCが大きいことが示された。