抄録
本報告では、シート型の磁性体がプリント配線の電気的特性にどのような影響を与えるかを調べた。マイクロストリップ線路を用い、伝送信号波形と信号の周波数特性,近傍磁界の測定を行った。まず,ステップ応答の測定から,特性インピーダンスの低下と同時に遅延時間の増加も観測された。このことから、特性インピーダンスの低下の原因が磁界の減少とは考えにくいことが示唆される。次に,周波数領域における反射特性から,線路幅より狭いシートや、十分に広いシートでも線路の特性に影響を与えていることが観測された。最後に,近傍電磁界を測定したところ,磁性シート上とはみ出た部分で測定された磁界に大きな違いは見られず、磁界の変化が線路の特性に大きな影響を与えているとは考えにくいことがわかった。