学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
プロジェクト報告
ミキサー食における新誤接続防止コネクタ(ISO80369-3)のユーザビリティー評価─ヒトによる官能評価試験─
丸山 道生栢下 淳高見 澤滋渡邉 誠司高増 哲也東口 髙志
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 1 巻 4 号 p. 310-316

詳細
抄録

本邦では2019年末より,現行の経腸栄養用誤接続防止コネクタである医薬発第888号広口タイプコネクタ(以下,現行コネクタと略)が廃止され,誤接続防止コネクタに係る国際新規格であるISO80369-3(以下,ISOコネクタと略)が導入される.ISOコネクタのオス型コネクタは内腔の最小口径が狭いため,ミキサー食の注入に際し,注入圧の上昇によって注入が困難になる懸念がある.今回,小児病院3施設それぞれにおいてミキサー食の胃瘻注入を行っている患児の家族3名,看護師3名の計6名に対し,各施設の標準的ミキサー食の注入を行い,現行コネクタとISOコネクタの比較を行った.同時に,用いたミキサー食の物性も検討した.注入実験において,観察項目のミキサー食の投与時間,シリンジ持ち替え回数,主観的評価の「負担感」と「問題なく使用できるか」,いずれにおいても現行コネクタとISOコネクタで統計学的な有意差は認められなかった.この結果から,ISOコネクタでのミキサー食の注入は現行コネクタと変わりなく可能と判断された.

著者関連情報
© 2019 一般社団法人日本臨床栄養代謝学会
前の記事 次の記事
feedback
Top