学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
委員会報告
nutritionDay 2010-2012年の3年間の調査結果からみた日本と世界の栄養状態および栄養療法の比較
武元 浩新小山 諭朝川 貴博梶谷 伸顕白木 亮利光 久美子野田 さおり宮田 剛山口 恵福島 亮治
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キーワード: nutritionDay, 日本, 世界
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2020 年 2 巻 5 号 p. 332-340

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抄録

nutritionDayプロジェクトとは毎年特定の日をnutritionDayと定め,世界的規模で実施される入院患者の栄養状態についてのアンケート調査であり,日本では2008年より当時の日本静脈経腸栄養学会(現日本臨床栄養代謝学会)主導の下に参加している.今回,ちょうど栄養サポートチーム(nutrition support team;以下,NSTと略)加算が評価された2010年から3年間の日本における集計結果を世界のものと比較し検討した.BMIでは3年間とも同様に経過し,日本では22前後,世界では25前後であった.栄養療法では,経腸栄養施行患者割合が日本では2010年から年々増加し,2012年には7%前後と世界とほぼ同程度に達していた.一方静脈栄養は日本では3年とも15%を超えていたのに対し,世界では5%前後であった.この変化は,日本でNSTが健康保険制度として評価され浸透したことが関係していると考えられる.今後も継続して報告していく予定である.

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© 2020 一般社団法人日本臨床栄養代謝学会
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