学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
報告記
2024年度国内施設研修支援制度報告記
新井 梨恵
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2025 年 7 巻 3 号 p. 159-160

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 研修概要

1. 研修施設名

Nurse Innovation株式会社 Five Star訪問看護・栄養管理Station

2. 研修期間

2025年1月6日~1月10日

 報告

1. 内容

初日:午前中に2件訪問看護を同行で見学し,午後は研修先である訪問看護ステーションの概要と,町田市の人口比率や今後の人口動態を踏まえた在宅看護および医療の在り方について,施設代表の朝倉氏よりご講義頂いた.2025年問題として,加速する超高齢化社会を支えていくために在宅療養が今後増加する中で,訪問看護が栄養管理を担い住みやすい地域づくりを目指している話に感銘を受けた.

2日目:午前中,管理者より訪問看護についての講義と施設で実施されるリハビリカンファレンスに同行した.都合で担当ケアマネージャーが欠席だったが,ご本人,通所デイサービスの理学療法士(Physical Therapist;以下,PTと略),当訪問看護師,オンラインでキーパーソンの夫が参加されていた.最近むせやすいという情報から,嚥下機能低下について焦点を絞り,ご家庭,デイサービス,訪問看護での様子を各方面から包括的に話し合いつつ,言語聴覚士(Speech Therapist;以下,STと略)から今後のリハビリ目標や食形態の注意点なども共有しており,多職種でのカンファレンスの意義を改めて感じた.

午後は山野STから,訪問看護ステーションのSTの役割や,嚥下機能の改善に向けて在宅で導入できるリハビリ方法などを聴講したのちに,リハビリ訪問に同行し訪問看護におけるST目線で実施されるケアを見学した.

3日目:午前中は松嶋PTよりリハビリテーション栄養と多職種でもできる運動療法について,高橋作業療法士(Occupational Therapist;以下,OTと略)より訪問看護におけるOTの役割についてご講義いただいた.ステーション独自ツールで「KT(口から食べるの略)バランスチャート」を用いて,問題を項目で評価し可視化できる在宅ならではの栄養評価方法を知った.

午後は在宅や施設への訪問看護に3件同行した.体重,下腿周囲長と握力で筋肉量を測定し定期的に栄養評価し,必要に応じた補助食品の提案はFive Starステーション独自の取り組みで参考になった.また,フットケアにも力を入れており,創意工夫した用具や実施方法を見学できた.

4日目:4件の訪問看護に同行しつつ,相木管理栄養士より在宅における栄養管理について講義を受け,病院と違い限られた時間や資材の中での評価と介入の実際を学んだ.特にフードレコーディングでは,撮影した食品の照りで調理中の油分を指摘し,訪問看護師と情報共有し指導に繋げていた.

5日目:終日訪問を同行見学と,合間に事務所内の看護カンファレンスに参加し,個々の利用者さんの問題点や介入方法の検討など意見交換を見学した.利用者を受け持ち制ではなく担当制にしており,多くのスタッフが関わることで多角的な話し合いがされていた.

2. 所感

私のNutrition Support Team(NST)活動のきっかけは急性期の病院勤務時で,栄養管理において早期経腸栄養の重要性を浸透させ,いかに早期に導入できるようにするかであった.その後,慢性期病院や訪問看護師として勤務する中で,急性期から慢性期に移行する際,人的や金銭的に継続が難しく,経管栄養を導入したことで生活の場が限定され,希望しても自宅や施設に帰れない方がいることを知り,歯がゆい思いがあった.

今回の研修を通して,在宅の栄養管理でも多職種で介入し実施できる現状を知り,施設や在宅でも継続することは可能であると知った.しかし私が感じていたように,病院内では退院支援する際の理解不足で在宅への移行を躊躇しているのも現実である.

今回の研修の中で印象深かったのは,脳疾患後の嚥下困難があり経鼻栄養から自宅退院のために胃瘻増設した80代の女性の症例である.病院退院後に胃瘻の管理だけでなく,訪問看護で定期的な栄養評価とSTのリハビリ介入,栄養士と食形態検討するなどの介入をしており,半年程度の介入で経口摂取が進み,胃瘻抜去方向とのことであった.この症例は稀有であるが,自宅へ戻ることが困難と思う症例も,効果的な介入のタイミングを逃さないために,病院から在宅へスムーズに移行できるよう多職種連携が重要である.また,栄養管理に理解のある訪問看護の役割は重要であり,在宅での栄養管理について認知と英知を広めていくことが必要だろう.

病院内と同様に栄養管理する上で看護師は他職種との関係が深く,知識だけの専門性だけでなく,専門職としてコーディネート力も必要だと改めて感じた.そのために病院外での栄養管理の重要性を積極的に発信し,認知される活動も必要だと感じた.

急性期から慢性期,在宅と切れ目のない栄養管理を実施していくことで,その人らしい時間を過ごす一助となれるよう,在宅での活動に尽力したいと思う.

今回このような貴重な機会を頂けたことに感謝し,今後の活動に活かしていきたい.

 

掲載している写真は,被写体となった方から掲載への同意を得ています.

写真1. カンファレンスの様子
写真2. フットケアの様子
 
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