学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
報告記
2024年度国内施設研修支援制度報告記
林 美幸
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2025 年 7 巻 3 号 p. 161-162

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 研修概要

1. 研修施設名

北里大学病院

2. 研修期間

2025年1月27日~1月31日

 報告

この度,2024年度国内施設研修支援制度の研修採用者としてご選定いただき,2025年1月27日から1月31日までの5日間北里大学病院栄養部にて研修を受けて参りました.研修先の先生方にはお忙しい中ご指導いただきたくさんの学びを得ましたので,研修内容について学んだこと,これからの業務で活かしていきたいことについてご報告いたします.研修先である北里大学病院は神奈川県,相模原市にある病床数1,135床の特定機能病院であり,栄養部には35名の管理栄養士が所属されています.

1日目はオリエンテーション,内分泌・代謝内科病棟栄養管理業務の見学,厨房見学,症例検討会というスケジュールで研修を行いました.給食は直営方式を採用されており,食事提供はニュークックチルとクックサーブを混合した形式です.調理後チルド保管し再加熱して提供するクックチルと調理後速やかに提供するクックサーブを料理の特性に合わせて使い分けることにより,クックチルで調理された煮物料理はしっかり味がしみて大変おいしく,クックサーブで調理された米飯はふっくらとやわらかく仕上がっていました.給食の食種の展開についても見直しをされたとのことで,昼食や夕食の副食は一般食と塩分制限食とで共通でしたがたいへんおいしく,満足度の高い食事となっていました.現在の勤務先では給食は委託方式ですが,自施設でも効率よく業務を行い,おいしい食事が提供できるよう食種の展開について見直しに取り組んでいきたいと感じました.

2日目は消化器外科のカンファレンス参加,消化器外科病棟の病棟栄養管理業務見学・入院栄養管理体制加算説明,部内ミーティング参加の内容で研修を行いました.病棟栄養管理業務では,栄養管理の手順のうち管理栄養士が主となり担っている項目が多く病棟担当栄養士としての役割の大きさを実感しました.

3日目は婦人科病棟での病棟Nutrition Support Team(NST)見学,部内研修会の参加,Total Support Center(TSC)・Patient Flow Management(PFM)についての講義,緩和チームカンファレンス参加の内容で研修を行いました.部内の臨床研修会では肥満症の栄養指導資料についての話し合いが行われ,各栄養士が統一した栄養指導が実施できるよう必要事項が共有されました.管理栄養士によって指導内容に大きな差がでたり,必要な確認事項が聴取できていなかったりしないよう自施設でも各種栄養指導の手順について統一したマニュアルの整備が必要だと感じました.

4日目はGeneral Intensive Care Unit(以下,GICUと略)の見学,献立検討会の見学,消化器内科での病棟栄養管理業務見学の内容で研修を行いました.GICUでの栄養管理の流れをご教示いただき,実際の早期栄養介入実施記録の作成の様子を見学させていただきました.多職種との密なコミュニケーションの中で栄養管理の方針のすり合わせが行われており,多職種連携やコミュニケーションの重要性を感じました.消化器内科の病棟栄養管理業務見学では栄養スクリーニングにあたっての問診に同行させて頂きました.また,化学療法パスに組み込まれた栄養指導の見学も行いました.低栄養リスクの高いレジメンに絞ってパスに栄養指導を組み込まれているとご教示頂き,新しい視点を得ることができました.

5日目は通院治療室(化学療法室)見学,集団栄養指導見学,情報交換会の内容で研修を行いました.通院治療室での管理栄養士介入の運用については11月に変更されたとのことで化学療法導入時,レジメン変更時に介入を行っているとご教示いただきました.栄養スクリーニングとしてはPG-SGA(SF)というツールを用いておられ,栄養指導時にはスクリーニング結果を患者さんにフィードバックすることで患者さんの栄養管理のモチベーションにも繋がっているように感じました.私自身,化学療法室の栄養管理業務を普段行っている中で,栄養リスクの高い患者を漏れなく・効率的にスクリーニングするにはどうしたら良いかという悩みがありましたので,勤務先とは規模が違いますが今回学んだことをスクリーニング方法の見直しに繋げていければと考えています.午後に設けて頂きました情報交換会では研修者が普段の業務内容や取り組みについてプレゼンテーションを行い,各施設の情報交換を行いました.大学病院,急性期総合病院,回復期リハ病床を有する病院と立場の違う環境で勤務する管理栄養士同士で違った立場からの情報を頂けたことは,今後,患者さんの情報を栄養情報提供書などで共有する際の参考にもなり大変充実した会でした.

1週間の研修期間通じて感じたのは,教育の重要性です.普段何気なく行っている業務の根拠を明確にすること,どの管理栄養士が対応しても一貫した介入ができるよう教育・マニュアルの整備をすること,正しく実施できているか部署全体で振り返って確認することの大切さを再認識できました.

最後になりましたが,このような機会を与えてくださった日本栄養治療学会の皆様,お忙しい中ご指導頂きました北里大学病院の先生方に深く感謝申し上げます.

 
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