北里大学病院
2. 研修期間2025年1月27日~1月31日
この度2024年度国内施設研修支援制度にて北里大学病院栄養部で研修を受けさせていただきました.
私が研修を希望した理由は,高度医療における栄養管理やチーム医療の実践を学び,広い視野を持ち,地域医療に貢献できる管理栄養士として能力向上を目指したいと考えていたからです.また大規模病院での多職種連携や部内での教育体制を重点的に学びたいと思い臨みました.
まず始めに感じたことは,栄養管理と給食管理両方でシステムと業務運用が統制されていたことです.栄養管理手順において,大規模病院ではどのように迅速に対象者を抽出し,漏れることなく早期に介入しているか注目していましたが,想像するよりも精密であり,入院前から入院中,退院後または再入院に至るまで充実した栄養管理,食事支援が患者に行き届いていると驚嘆しました.それには業務の効率化や標準化が必須であり,それ相応の知識や技術の習得,経験値が必要となります.
北里大学病院栄養部では教育体制が構築されており,あらゆるテーマで勉強会や研修,症例検討会が実施されていました.経験年数や目標に合わせで参加型や自発的な会にすることで実践に即した知識の習得が可能となり,即座に活かすことで経験が上積みされ,自信に繋がるのだと思われます.また,チーム編成にすることで若手は相談しやすく指導側も目の行き届いた教育が出来うるのだと考えます.
入院時栄養管理体制加算や早期栄養介入管理加算による病棟配置を重点的に見させていただきましたが,常駐することで病態や治療方針にタイムリーに反応でき,多職種から情報を得てより的確な栄養管理が遂行されていました.
専従を配置することで適正かつ充実した栄養管理や食事サービスが提供でき患者の治療に貢献できますが,経験に長けた管理栄養士の人材確保が必要であり,質の高い医療を持続的に提供するにはマンパワーをどこに投入するのかが施設ごとに検討課題になってくると推測されます.
給食については,直営での運営とニュークックチルの運用をみさせていただきました.ニュークックチルは導入から10年経過しているとのことでしたが,軌道に乗るまでに大変な苦労があったと感じました.今もなお,尽力されており部内全体で美味しく安心できる給食の提供を追求されていました.普段患者に接している管理栄養士が献立検討の中心となり,調理師は厨房に留まらず患者からの声を直接聞いて今後に活かそうとしている姿が印象的でした.直営ならではの強みではないかと思います.臨床部門と給食部門を切り離すことなく,より患者に近いところで給食を造り上げていることが患者の治療の貢献,食事の満足度向上に繋がっているのだと痛感しました.
今回の研修を通して自施設の課題,高齢者医療に携わっている自分自身の目標や責務を再認識することができました.高齢者の食事や栄養に関する問題は多岐に渡ります.Activities of Daily LivingやQuality of Lifeの向上に注力し自宅復帰や施設に戻ることを目標としていますが,実際には認知症や食欲不振により低栄養,サルコペニアが進行してしまい臨床転帰が悪化してしまうケースも多く,どう立ち向かうか悩む日々です.治療,リハビリ,栄養療法が奏功し,その効果を高めるには多職種間で多角的な介入が必要となります.認知症や終末期医療にも精通し,多職種での栄養サポートを牽引できる管理栄養士の育成が鍵になると考えます.
さいごに,貴重な研修の機会をくださった日本栄養治療学会の皆様,ご多忙の中温かく迎えてくださった北里大学病院栄養部の皆様に感謝申し上げます.病院の規模や機能,特性は違いますが管理栄養士として目指すところは同じであり,熱意を持って邁進する姿に大変刺激を受けました.
今後も自施設の課題に取り組み,地域医療に貢献できる医療人として研鑽を積んでいきたいです.また,臨床栄養を支えることのできる後世を担う管理栄養士の育成に努めていく所存です.