学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
報告記
2024年度国内施設研修支援制度報告記
加藤 奈央
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2025 年 7 巻 3 号 p. 165-166

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 研修概要

1. 研修施設名

独立行政法人国立病院機構 高崎総合医療センター

2. 研修期間

2024年11月5日~8日

 報告

この度,日本栄養治療学会(旧:日本臨床栄養代謝学会)2024年度国内施設研修支援制度の研修採用者としてご選定いただき,2024年11月5日から8日の4日間,独立行政法人国立病院機構高崎総合医療センターにて研修を受けて参りました.

私が勤務する医療法人靖和会飯能靖和病院は,病床数314床(一般病棟,医療療養病棟,回復期リハビリテーション病棟,特殊疾患病棟,認知症治療病棟)を有する病院と介護医療院166床を併設しており,幅広い患者や利用者の受け入れが可能となっています.埼玉県の西部地域では,高齢者医療を中心として地域に貢献してきました.

前述したような病院規模でありながら未だ電子カルテ導入に至っておらず,各部署間の情報共有では紙媒体を使用しています.また,管理栄養士は昨年から今年にかけて増員し5名体制となりましたが,Nutrition Support Team(以下,NSTと略)専門療法士を取得しているのは1名のみで,臨床経験年数も0~5年と,決して十分な栄養管理体制が整っているとは言い難い状況です.

研修を希望した目的は,当院での栄養管理体制に足りないものは何か,必要な知識は何か,そのためにはどのような院内体制を整え,どのように管理栄養士が介入する必要があるかを実際の現場で学んでみたいと思ったからです.

研修は毎日が全て勉強になる日々でしたが,特に当院の栄養管理体制で足りないと思ったのは,多職種のチームで取り組むということ,そしてそのためには,自分自身がもっと多職種から信頼される管理栄養士になることだと痛感しました.

高崎総合医療センターでは,全病棟でNST活動を行っており,管理栄養士が入院から48時間以内にはベッドサイドへ向かい,栄養スクリーニング(Scored Nutritional Screening Tool;S-NUST)にて栄養評価を行うという活動目標を持っていました.また,予定入院の際には,入院のおよそ2週間前に外来の患者サポートセンターで聞き取りを行い,栄養介入のフローチャートに沿って,身体計測結果から手術までに栄養改善が必要であれば栄養指導の実施,手術予定以外でも,入院時にスムーズな栄養介入ができる体制が構築されていました.さらに,退院後にも患者の栄養サポートができるよう,NST外来を設け支援を続けていました.その他,チームの活動として,歯科医師と摂食嚥下障害認定看護師,病棟看護師,管理栄養士が参加する嚥下回診(Videoendoscopic Evaluation of Swallowing;VE)や,疼痛緩和内科医師と麻酔科医師,薬剤師,管理栄養士が参加するAcute Pain Service(APS)チーム等があり,幅広い職種と管理栄養士が常に連携しながら栄養管理を行っている姿がとても印象的でした.

実際に,様々な業務を抱えている中,管理栄養士がベッドサイドで患者とこまめなコミュニケーションを取っている姿や,NST回診での司会進行や輸液栄養の提案までを行う姿を目の当たりにし,まず私が目指さなければならない管理栄養士像はこれなのではないかと気づくことができました.入院の早期から管理栄養士が介入することで,適切な栄養管理を早期に実施できるだけでなく,多職種へ管理栄養士の存在をアピールすることにも繋がっていると感じました.また,チームで活動することで,それぞれの専門性を発揮した医療計画を効率良く立てることができます.さらに,各専門家がより責任を持った行動を取るようになり,チームの士気も高まるのだと感じました.そのため,必然的に管理栄養士も多職種と対等に意見交換できる知識が身に付き,他の職種からも信頼される存在になるのだと感銘を受けました.

当院では,今までマンパワー不足や紙媒体での情報共有による連携不足で,全患者へ入院時から管理栄養士が介入するということはできておらず,栄養に関する相談があった際に初めて介入する場合も多くありました.しかし,今回の研修では,管理栄養士が率先して栄養管理を行う必要性や幅広い知識と技術の向上,チーム医療の大切さを学びました.この経験を活かし,まずは,今ある環境でも管理栄養士まで患者情報が届く流れ作りや,多職種へのコミュニケーションの取り方を見直し,受け身ではなく,自分たちから存在をアピールする体制を整えたいと考えています.それと同時に,自己研鑽に励み,患者や他職種から信頼される管理栄養士になれるよう尽力して参ります.

これからもこのような研修機会が設けられることで,NST活動の発展,活性化に繋がっていくと思います.ぜひ,栄養分野の未来のためにも続けていただきたいと切に願います.

最後になりましたが,このような貴重な機会を与えてくださった日本栄養治療学会,並びに,大変ご多忙の中,この度の研修を受け入れていただいた高崎総合医療センターの皆様に深く感謝いたします.

 
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