学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
報告記
2025年度国内施設研修支援制度報告記
片岡 麻美
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2026 年 8 巻 1 号 p. 41-42

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 研修概要

1. 研修施設名

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院

2. 研修期間

2025年10月6日~10月10日

 報告

2025年4月に現在の所属へ異動となり,Nutrition Support Team(以下,NSTと略)運営に携わる立場としてその在り方を考える中,多職種間での連携を一層深め,様々な角度から栄養管理について検討し,包括的提案が行えるようなチームへ成長したいと思うようになりました.また,当院でのNST回診の件数が少ないとも感じており,回診対象者の拡大を考えた場合に,効果的かつ効率的に介入できるのか不安に感じ,栄養管理のスキルアップとチーム運営について考えたく,研修支援制度に応募しました.

研修初日は,管理栄養士から聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院におけるNST運営の全体像の説明を受けることから始まり,NSTチームにおける各職種の役割について,それぞれNSTメンバーから話を伺いました.

理学療法士からは,心不全患者におけるHAD(Hospitalization-Associated Disability)について,研究内容を盛り込んで教えていただきました.病態に応じてリハビリの強度や種類が適切に選択され,蛋白異化抑制効果から予後に大きく関与することを知りました.

薬剤師からは,チームの中で管理栄養士である私が,どう輸液の知識を整理し理解すればよいのかを,実際の製剤を手に取りながら教えていただきました.また,患者のQuality of Lifeを最大限に高めるリハ薬剤について研究をされていることにも触れられ,「チームの中の専門職」としての視点を常に持たれている姿勢に,私もこうありたい,と目指すべき目標ができました.

研修期間中はNST回診に3回同行させていただきました.同院では病棟型NSTと依頼型NSTの2通りがあり,整形外科と救急科は病棟型を,それ以外の全科は主治医からの依頼で介入する依頼型NSTとして運営されていました.当院は依頼型であるため,病棟型の運営からは特に多くの学びが得られました.

救急科回診では,Intensive Care Unit(以下,ICUと略)/High Care Unit (以下,HCUと略)に入室している全患者を対象に,管理栄養士が経口摂取量や栄養剤,輸液など補給ルート別に投与されている栄養素量を確認することから始まり,問題点の共有や変更が必要な場合には,「何を,どれぐらい,いつから実施するか」について,各職種から次々と意見や提案が行われていました.今後の見通しも議論に上がり,リハビリの状況やスケジュールも考慮され,提案内容が受け入れられれば,すぐ実行できるほど具体的な内容となっていました.回診までにメンバー全員が十分に病態や治療方針を把握した上で参加しているため,ゴールを見据えた効果的な提案ができるのだと感じました.また,管理栄養士も輸液の知識を,薬剤師も栄養剤の組成や食種についての知識を十分に備えているがゆえ,職種の垣根を超えた活発な議論となり,それがより良い栄養管理に繋がっていく様子を目の当たりにしました.

整形外科回診では,手術目的で入院された患者が対象で,NST医師が内科部分の診療を行い,看護師,薬剤師,理学療法士,管理栄養士と協働で栄養管理を担うコマネジメントが実践されていました.「コマネジメント」という言葉すら知らなかった私は,この時,特別な教育システムが設定されているわけではなく,チームの一員となり,より良い栄養管理を目指すという士気が,各職種の専門知識の習得へ自然と繋がっていくのだと理解しました.

研修2日目,3日目にかけて管理栄養士,薬剤師,看護師の通常業務に同行させていただきました.管理栄養士は救急科で早期栄養介入加算を算定するため,専従者が毎朝の回診に同行し,入院後48時間以内にMini Nutritional Assessment Short-Form にてスクリーニング,必要に応じてGlobal Leadership Initiative on Malnutrition基準で栄養診断を行い,栄養管理計画書,早期栄養介入モニタリング項目をカルテに記載し,1日3回の経過観察記録を行っていました.記録に追われて患者を診られなくならないために,効率的に業務遂行できる工夫を見せていただき,改めて書類整備の重要性を感じました.

薬剤師の業務では輸液の混注に立ち会わせてもらい,感染管理を徹底しながら実施されている点や,コストの観点からも,「腸が使えるなら腸を使うべき」と,ますます栄養管理の奥深さを感じました.

看護師の業務は救急科で伺いました.呼吸状態,循環動態,ライン,チューブの確認など多くの観察項目がある中でも,リフィーディング症候群の発症リスクも念頭に置きながら,栄養開始後のモニタリングが慎重に行われていました.また,リハ栄養プロセスを実践して実際に関わった症例を通じて,プロセスの基礎を学ぶことで問題点の抽出や解決につなげる考え方が身につけられると感じ,これから取り組んでみたいと思いました.

リンクナース会の勉強会にも同席し,オーラルフレイル患者に対する服薬時の注意について薬剤師から伺いました.栄養関連の困りごとやリスクに関することは,発生したらすぐに,状況や要因を具体的に数値化して示し,病院全体へ共有,改善策を日々の実務に落とし込むよう努められており,NSTチームが栄養に関する発信の要であるという役割も果たされていました.

研修4日目は,聖マリアンナ医科大学病院のICU/HCUや循環器内科病棟を見学させていただきました.入院決定後,外来からいち早く栄養士が介入する仕組みや,多くの外来栄養指導を円滑に進める工夫など,具体的に実践できる方法を見出すことができました.

研修5日目は,2024年に設立された腎臓ケア・サポートセンターでの,地域一体型NSTとしての枠組みを教えていただき,患者の栄養管理を途切れさせない仕組みを作ることの必要性を学びました.

それから,看護部長より,マネジメントに必要となる考え方や知識をどうやって身に着けるのか,その方法について具体的にご教授いただきました.その中で実際にリフレクションを体験し,基本的な理論を知らずにマネジメントはできないのだと痛感し,今までの失敗を反省するとともに,今後やるべき課題が明確となりました.

当院のNSTチームを,多職種が専門性を発揮しながら包括的な栄養管理を提案できるチームへと成長させるため,今回学んだことを実践していきたいと考えています.

最後になりましたが,お忙しい中,希望に応じてスケジュール調整をしていただき,丁寧にご指導くださった聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の皆様に心より感謝申し上げます.最後になりましたが,お忙しい中,希望に応じてスケジュール調整をしていただき,丁寧にご指導くださった聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の皆様,そして研修の機会をくださったJSPENの皆様に深く感謝申し上げます.

 

掲載している写真は,被写体となった方から掲載へ の同意を得ています.

写真1. 救急科回診に同行している時の様子
写真2. 輸液混注業務の見学
 
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