抄録
ラビング法は液晶の配向方法として広く用いられている方法である。昨今、ラビング布の材質(強伸度・弾性率・織り方等)だけでなく、毛先の長さや裁断方向が、配向処理に及ぼす影響についても興味が持たれている。従来は、織り経方向裁断(Fig.1参照)で十分であったが、大型基板をラビングするには織り幅の制限から織り経方向裁断布では幅が足りなくなる。よって、昨今の大型基板対応へは織り緯方向(Fig.1参照)が必然となる為、織り緯方向裁断布でラビングした場合の影響にも興味のあるところである。
本研究では、様々な条件のラビング布を用いてTN配向セルを作製し、ラビングにより誘起されるプレティルト角や方位角アンカリングの影響について考察を試みた。また、ラビング時に発生する静電気も評価した。更に、基板表面観察に於けるラビングスクラッチについての評価も行った。