1968 年 43 巻 12 号 p. 1164-1167,1155
Progesteroneを経口投与した場合, その生物学的効果を現わすためには経皮投与に比較して非常に大量のprogesteroneを必要とするが, それは腸管から吸収されたprogesteroneが肝にはこばれ, ここで代謝されて不活性化されるためであると考えられている.そしてわれわれもその肝における不活性化の機構としてΔ4-doublebondの還元, また20-ketoneの還元にひきつづいておこるglucuronide形成が重要であることを報告した.
しかし, 腸管内に投与されたprogesteroneがはたしてそのままの形で腸管から吸収されて肝にはこばれるかどうかについては明らかでなかつた.今回はこの点を検討し, 興味ある成績を得たので報告する.