日本内分泌学会雑誌
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唾液腺ホルモンと性機能 (第4報)
モルモット精液に対するパロチンの作用
青沼 繁真弓 忠範中島 敏彦鈴木 宏治
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1970 年 46 巻 2 号 p. 127-138,109

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抄録

androgensと密接な関係を有する射精精液量, および精子などに対する唾液腺ホルモンの作用について検討した.parotinは, 1日0.5mg2週間筋肉内注射し, 射精は電気刺激により, 精子は副睾丸より直接採取して用いた.過度の射精を行なわせると射精量は著るしく減少するが, parotin投与群ではその減少が抑制され, controlの約2倍を示した.しかし去勢モルモットでは何ら影響をおよぼさなかった.また唾液腺を別出すると射精量は有意に減少した.精漿成分については遊離アミノ酸がparotin投与により増加すること, 酸性ホスファターゼ活性は唾液腺別出により低下すること, 唾液腺別出により減少した果糖が唾液腺ホルモン投与により再び増加回復することが認められた.またparotinは精子自体にも働き, 精子運動性, 生存性などを向上させることが認められた.

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