日本内分泌学会雑誌
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TRF Testに関する臨床的研究
第1編TRFTestの術式に関する基礎的検討
佐古田 雅弘大槻 真深津 泰良馬場 茂明弘重 尚久
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1972 年 47 巻 12 号 p. 1046-1060,1007

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抄録

合成TRFの作用をヒトにおいて観察し, 併せてTRF testについて検討を加えた.TRFは (i) 25-800μg single push, (ii) 200μginfusion, (iii) lOO-200μg皮下投与, (iv) 1-10mg経口投与とした.静脈内投与が他の投与方法と比べると短時間に最大のTSH放出反応を起させた.TRFの吸収の確実性, 投与方法の簡単さよりsingle ushがroutine testとして適当であつた.24人の正常ヒトにTRF25, 50,100,200,400,800μgを投与した.400μgまでの範囲では明らかな用量反応が認められた.従つて用量反応関係で上限に達しておらず最少有効量よりも多量でしかもradioimmunoassayで確実にTSH変動を測定し得るTRF量として50-400μgを使用した.single pushをTSH分泌予備能のscreening testとして用いたがさらに詳細な検討にはTRFの投与経路, 投与形式, 判定時間を別に設定する必要がある.

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© 一般社団法人 日本内分泌学会
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