嚥下医学
Online ISSN : 2760-246X
Print ISSN : 2186-3199
原著
輪状甲状靭帯切開による喉頭狭窄,音声障害,嚥下障害に対し段階的手術により改善を認めた1例
首藤 洋行, 古賀 千晶, 峯崎 晃充, 石田 知也, 杉山 庸一郎
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2026 年 15 巻 1 号 p. 73-81

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抄録
不適切な気管切開術による術後合併症として,喉頭・気管狭窄や嚥下障害などが知られているが,ひとたび発症すると治療に難渋することがある.症例は40代,男性.他院で左側視床出血の治療経過中に気管切開が行われた.しかし,カニューレは声門部に位置するほど,通常より高位で手術が行われており,輪状甲状靭帯および甲状軟骨の中央尾側が欠損し,声帯前交連も欠如した状態であった.肉芽や瘢痕組織の形成で喉頭狭窄を認めたため,狭窄解除後の喉頭再狭窄予防として,シリコンステントを留置して喉頭皮膚瘻を形成した.シリコンステントを抜去すると,喉頭狭窄は改善していた.しかし,気道開存に伴って音声障害および嚥下障害が顕在化したため,喉頭皮膚瘻閉鎖術および喉頭枠組み手術,嚥下機能改善手術を同時に行った.喉頭再狭窄はなく,発声および経口摂取良好となったため,カニューレ抜去および気管孔閉鎖にまで至った.段階的手術を計画することで,いずれの病態も改善することができた.複雑かつ重度な病態に対しても,適切な術式を選択することで改善する可能性がある.
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