抄録
代数的な誤り訂正符号の基本的な考え方,方法について,最近の進展も含めて概説する.線形代数にプラスアルファの代数を加えたもの,代数的な構成が符号の効率的な利用(符号化,復号,ハードウェア化)に直結しているものを,狭義の「代数的符号」と呼び,そのような符号の構成と利用, 特に復号法について述べる.代数的な方法の基礎となるのは,有限体上の(1変数,または,多変数)多項式, あるいは,(一次元, または, 多次元)配列による符号の表現である.復号において,線形再帰関係とグレブナー基底の概念が重要な働きをする.