火災などの局所的災害発生時にその周辺で災害発生場所や通行不可能な通路などの情報をリアルタイムに知ることは難しい.そのため,被災者は災害の発生に気付かず逃げ遅れて重症を負った場合には,命を失う可能性が高い.この問題を解決するために,我々は緊急救命避難支援システム(ERESS)を提案し,研究開発を行っている.本システムはスマートフォンのセンサ情報をアドホックネットワークにより収集することで,災害を早期に自動検知し,必要な情報を被災者に提供して避難支援を行うシステムである.本システムの概要とこれまで行ってきた研究結果の一例について紹介する.
無線通信を介して,ロボットなどの機器を遠隔で高信頼に制御することが求められている.本稿では,制御状態を考慮した無線通信設計,更に無線の信頼性を考慮した制御方法に関して解説する.特に一つの制御器が一つの制御対象を無線を介して制御するシステムに着目し,通信システムと制御システムとを統合的に設計する手法を紹介する.
ディジタル画像に対する処理結果に対しては,画像の圧縮性能や処理速度など,それぞれ目的に応じて様々な客観的な評価規範が準備されている.その一方で,視覚的な快適さや美的評価など,人間の知覚や感性に関連した評価に対する客観評価手法は研究の発展途上にある.そのため,それらの画像処理結果を評価するためには,主観評価実験,官能評価実験や心理物理実験など,ヒトによる評価実験を実施して検証する必要がある.しかし,正しい方法で実験を実施しなければ,誤った評価結果を導くこととなり,適切な実験設計と実施が重要となる.本稿では,観察者を対象に実施する画像評価の実施において,注意すべきことについて解説する.
すでにアカウントをお持ちの場合 サインインはこちら