抄録
近年,電子回路の集積化技術の著しい進歩とともにシグナル/パワーインテグリティ(SI/PI)や電磁妨害(EMI)など,多様な電気雑音問題が深刻となっている.これらの雑音は、チップ・パッケージ・ボード等の電子回路上で予期せぬ誤動作を生じさせる要因となっており,短TAT化や低コスト化のため,設計段階での検出と対処が要求されている.それゆえ,新しい電気系シミュレーション技術の開発が強く望まれている.本稿では、まず,SI/PI及びEMI問題とシミュレーション技術に関するこれまでの歩みと現状を整理する.そして,高速ディジタル時代におけるチップ・パッケージ・ボード協調設計のための三次元シミュレーション技術や多並列シミュレーション技術に関する将来展望について言及する.