抄録
第5回実験動物研究発表会 (昭和45年9月甲府) において, 『無菌動物』と定義づけ得る具体的な検査法の制定が要望された。一方, ICLAでも実験動物として無菌動物の種々の面について, 統一的見解を求める作業が開始された。
これらの情勢から, 日本実験動物研究会理事会は, 昭和45年11月, 佐々木正五教授 (慶大医・微生物) に無菌試験法の起草を要請した。かかる要請に応じ, 合田朗 (北研) , 橋本一男 (慶大医) , 岩井浤 (実中研) , 神薗稔 (日生研) , 柏崎守 (家衛試) , 前島一淑 (医科研) , 光岡知足 (理研) , 波岡茂郎 (家衛試) , 野村達次 (実中研) , 坂崎利一 (予研) を委員, 佐々木正五を委員長とする『無菌試験の規準に関する委員会 (Committee for Standardization of Sterility Test for Germfree Animals in Japan) 』が発足した。
この委員会は, 昭和45年12月以来, 昭和46年7, 月までに9回ひらかれ, また委員以外からも参考意見をきき, 以下に記すような現行規準案 (Recommended Requirement for Steriljty Test of Germ-free Animals, Provisional) をまとめた。すなわち, まず無菌動物に関する内外の文献を収集し, 無菌試験の方法を抜きだして比較検討した。つぎに, 各委員が実施している検査方法の提示とその批判をおこなった。この結果, ひとつの粗案がまとまったので, 各委員はそれをそれぞれの研究室で実施し*, 実際上の問題点を検討した。ついで, 上述の粗案に修正を加え, ふたたび各委員はそれを研究室にもち帰った。このような手続きをくり返すことによってできあがったのが, 本試案である。いうまでもなく, 討議の過程で多くの異なった意見が出され, 最終的にも必ずしもすべての点で一致したわけではない。しかし, これはひとつの試案であり, より多くの人々が実施し, 逐次, 改良されるべきものという考えのもとに, とりあえずここに報告する。なお, ここに示す無菌試験法は, すくなくともこれだけの試験は欠かせないという基本的なもので, 各研究者はその目的に応じ独自の試験法を加えることが前提とされている。