抄録
実験動物 (マウス, ラット, モルモット, ハムスター, 家兎) の鼻孔閉鎖を行うことにより, 容易に胃腸管内に過剰な空気も貯溜させることができた。貯溜したガスについては, その分析結果から, 腸管内で発生したガスではなく, 嚥下されたものである可能性が示唆された。なお, 小腸 (空, 回腸) 粘膜上皮の上部, 内部に多数の気泡が認められた。鼻閉後の病理変化については, 腸管に最も著明な変化が認められ, 死亡しつつあるマウスにいて, 空腸, 回腸部に出血, 壊死が認められた。鼻閉マウスが乳児の壊死性腸炎のモデルになる可能が考えられた。